企画展 - 2018.07.20

五感で長崎の伝統産業に触れられるイベント「くらわんか×長崎」がすごかった!後編

 

長崎県各地の伝統産業を伝える展示イベント「新日本の美意識 くらわんか×長崎」が、大阪にある阪急うめだ本店で催されました。関西圏の大都市である大阪の地で、長崎県波佐見町、彼杵(そのぎ)町、小値賀(おぢか)島、大村市の4つの町の伝統工芸品や食材が一同に集結した注目のイベント。今回は、イベントレポート後編です!

 

 

会場の目玉にもなっていた、金富良舎オリジナル商品第1弾の「KEEP WEAR」シリーズ。こちらは紙コップや紙皿などの“使い捨て”容器に見立てた陶磁器を作ることで、環境問題に一石を投じている現代アート作品です。現代の日用食器である紙コップ・紙皿を、400年に渡って人々の日常に寄り添ってきた波佐見焼であえて表現することで、「環境に対する課題を伝統産業を通じて共有したい」という思いから制作されています。遊び心があるだけでなく、環境問題にも訴えるメッセージ性のある注目度大のアート作品です。

 

 

また器以外に、長崎を名産とする食材も多く登場していました。

東彼杵町で活動する6人の若手生産農家が組んだ「Tsunagu Sonogi Tea Farmers」は、2017年の全国茶品評会にて見事最高賞である農林水産大臣賞に輝いた“そのぎ茶”のブースを出展。茶づくりの腕を磨きながら、国内外で展示会やワークショップといった活動を精力的に行っているユニットのみなさんからは、最高品質のお茶の味はもちろん、パワフルで個性豊かな魅力をいっぱいに感じます。

 

 

長崎空港のある大村市を拠点とするお菓子の卸問屋フルカワは、“子どもたちに夢を、大人たちに思い出を”をスローガンに、長崎でしか食べられない地元の素材食材を使ったオリジナルのお菓子「九州じげもん街道」シリーズを展示していました。そのぎのお茶っぱ入り玄米クッキーは、ヘルシーで地元の子供たちにも人気だそうです。

 

 

会場では、長崎を体験できる「ものづくりワークショップ」ブースも人気を集めており、小値賀島で100年続く活版印刷屋のOJIKAPPANと波佐見町の岩嵜紙器がコラボした、活版印刷と印刷物を用いた箱作りの体験では、実際の印刷機に触ることができる貴重な体験となりました。

 

 

こちらは、東そのぎ町を拠点に革製品を制販売しているtatetoのブース。実際に革製オリジナルキーホルダー作りが体験できるワークショップでは、所要時間15分ほどで本格的な革ホルダーがあっという間に出来上がりました。人の手で、ひと針ひと針に思いをこめて作り上げるとても温かみのあるものづくりは、デジタル社会である現代に暮らしているととても新鮮なものにうつるかもしれません。

 

広々としたスペースに、工芸品から雑貨、食まで、長崎で脈々と受け継がれる伝統がぎゅっと凝縮された「新日本の美意識 くらわんか×長崎」。見て聞いて触って、自分の五感でしっかりと感じることで、長崎の魅力にますます虜になるソトガワ編集部でした。

 

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