レポート - 2017.07.17

東京最後のフロンティア「京浜島」で、鉄工島FES!?

東京に、住民が一人しかいない島があることを皆さんはご存知だろうか?
羽田空港目の前の、面積たった1.03㎢の小さな人工島「東京・京浜島」。



かつては鉄工所の音や火でにぎわったこの島も、今は鉄工所が廃棄物処理やリサイクルセンターに変わりつつあります。
ちょうど50年前のオリンピック時、鉄道を走らせたり道路を作ったりするために鉄工所の仕事が増えたことによって、京浜島ができ、そして今は、かつてものを生み出していた鉄工所がゴミを処理するための工場に使われている。



そんな状況をもっとおもしろく、音やアートや映画やキャンプ、クリエイティブな使い方を見せられないかと「鉄工島FES実行委員会」が立ちあがったと聞き、ソトガワ美術館編集部は企画をしているBUCKLE KOBOにお話しを伺いました。

 

 

BUCKLE KOBOとは、

そもそもBUCKLE KOBOとは、京浜島の鉄工所を オープンアクセス型アートファクトリーに変えることで、周辺湾岸地域を中心に新たな文化を発信することを目的に活動しており、このスタジオでは制作工房を中心に、周辺環境を取り込みながら様々なイベントや企画を開催。まさに沿岸のベルト地帯 にある点在する資源を繋ぎ、東京のクリエイティブのハブにしていく、そういう思いで、この工房は「BUCKLE KÔBÔ」と名付けられたそう。

 

 

BUCKLE KOBOは、鉄工所の一部をアーティスト制作の場とすることから始まり、周囲で働く技術者や経営者の方々と交流する中で、ものづくりのつなぎ手となり得る可能性を感じたという。より多くの人に、京浜島の現在に興味を持っていただき、また新しい鉄工業や島の活用の可能性を探るため、「鉄工島FES」という複合FESの開催を決意。



京浜島のものづくりに新たな切り口の視点を増やし、ネットワーク作りを通して活路を見出すことができないか、鉄工所のおもしろい使い方を伝えたい!ものづくりのパワーやクリエイティブなエネルギーをポジティブに展開したい!と考え「鉄工島FES」の開催に至ったそうです。

 

『鉄工島FES』の5つのチャレンジ

①鉄工所という「工場」を舞台に、関わる人みんなで0から作るという「DIY」精神で、手仕事にもう一度フューチャーしたようなお祭りに!



②たった1㎢の「島」だからこそ味わえる、「島」全体でブロックパーティーをするような、一体感、独占感を!



③巷にあふれるアートフェスや映画祭ではなく、アート・音楽・演劇・映画…とクロスボーダーするSXSWのような、街全体で盛り上がるカルチャーフェスに!



④これからの「鉄工所」「島」をどうしていくか?をみんなで議論する場(AFTER TALK)を!



⑤FESを通して、様々な団体や市民が協働できる枠組みを構築する!



細分化され、普段なかなか協働することのなかった団体や市民をつなぎ合わせることで今までにない試みにチャレンジしている彼ら。
太田観光協会やしながわ観光協会と協力し「運河FES」とも連動させながら行政区を超えて市民が自由に創造的な活動を行える土壌をつくり、FESを通して出会う様々な人と議論することで、まさにここから、また次の実行委員会を担いたいと思う人が現れる仕組みを作っていきたいという強い決意を感じました。



アート・音楽・演劇・映画…と様々な分野をクロスボーダーする企画の一つ一つが素晴らしい。
漫画家の根本敬氏と、美術家の会田誠氏の「ゲルニカ計画」も見所の一つ。

 

 

東京文化プログラムの気運醸成プロジェクトの一つにも

街全体で盛り上がるカルチャーフェス。
アウトドアブランドのSnow Peak協力のもと、阪神淡路⼤震災、東⽇本⼤震災を経て、来るべき都市直下型の災害を⽣き抜くための中⻑期的体験型展⽰スペースを提案。
セミナー、ワークショップ、上映会など、近くの公園での炊き出しBBQなども実際に島に泊まってみて体感してみる機会をつくるようだ。
巷に溢れるアートフェスとはひと味違う。



詳しくはこちらから

 

 
『鉄工島FES』~鉄工所の島=京浜島で始まる創造祭 
日程:2017年10月1日(日)12:00~18:00(予定) 
※9月30日(土)18:00~前夜祭&防災ブートキャンプを開催します。 
場所:BUCKLE KÔBÔ(大田区京浜島2丁目11-7)須田鉄工所、京浜島防災広場


クリエイションに興味がある人は、まずはここに集まって欲しい!!
それぞれのプロジェクトをここで実現していくような、そんなきっかけの場所にできたらと思います。そうした人の想像力や、エネルギー、ネットワークが、これからの未来を作っていくと思います。 まずは、発火点、接点としてのこのFESにぜひ参加してください!!そして一緒に作っていけたら嬉しいです。そうした仲間で、未来を作っていけたらと思います。
と熱く語るのは、BUCKLE KOBOのメンバー。
ソトガワ美術館も、ぜひ応援していきたいと思います。


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