レポート - 2016.12.23

世界初?! みかん箱とコンプラ瓶でつくる灯りのインスタレーション

こんにちは。キャンドルアドバイザーの三浦麻莉です。

今日は、2016年7月に長崎・波佐見町にある県立波佐見高校の美術工芸科の学生の皆さんに、
キャンドルの歴史・デザインについてお話をさせていただき、一緒にイベントをさせていただいたときのお話をしたいと思います。

 

 

皆さんにお伝えしたかったことは、キャンドルといういかにも海外のものである響きのキャンドルの歴史について。
とくに北欧などは暗い時間もながく、キャンドルが日常の必需品になっている国です。
IKEA、ittaraなどおしゃれなインテリアや雑貨なども有名かと思います。
しかし!!日本にもとても古くから日本の有名な文豪、谷崎潤一郎さんが書かれた「陰影礼賛」の世界がありました。
一言で言うと暗闇をたのしむ世界を表した本だと思います。


たとえば、障子とあかりで作られる影などのことです。
こういった日本のどこか奥ゆかしい世界というのは、世界の建築家や、照明デザイナーの方が影響を受けたとされています。

 

高校生というこれから無限に可能性のある若い世代の方に、キャンドル・あかりというものが、日本が後進国ではなかったことも伝えたいことのひとつでした。
お話をした授業の中でもキャンドルをともしたりして、体感してもらいました。
キャンドルといえば、仏壇でみたことがあるとか、仏壇も電気かもとかそんなことを学生の方からお話いただきましたが、不思議と、ともしたあかりのもまわりに、みんなが集い、きれいだねーとかぼーっとあかりをみつめてくれる時間もあり、少しだけ、授業前より、キャンドルを身近に感じてくれたように思います。



キャンドルの歴史や楽しみ方について理解を深めたところでデザインの勉強をしているみなさんの本業へ!
キャンドルイベントをするときのデザインとは・・・を考えてもらいました。


いくつかのグループにわかれて、ディスカッションをしてもらい、
地元波佐見町で古くからある、波佐見焼でできたコンプラ瓶を使うということを条件にしていました。

 

そして、テーマは「一時の癒し~コンプライト」と決定!
2016年9月22日夕方から、世界初?! コンプラ瓶とみかん箱を使った灯りのインスタレーションが灯り、たくさんのキャンドルを灯すことになりました。


このみかん箱、以前はたくさんいたみかん農家さんが、1991年のオレンジ自由化の影響を受け、現在では2軒に。。
よく見てみると、このみかん箱にはいろんな農家さんのお名前が!今も続いている2軒のみかん農家さんに、もうやめてしまった農家さんが譲り、使ってもらっているそうです。
それでも余っているみかん箱は、こんなふうに、使われなくなった焼き物を入れていたり、、していました。
これに、目をつけたのは、アーティストたち!
私もみかん箱を使用して空間に高さを出す演出は、12年間で一度もみたことはありませんでした。
やはり、アーティストの目の付け所は違います!

 

 

イベント当日は、地元の方にあかりの中で音楽を奏でていただいたり、お話したり、いろいろな角度からキャンドルをともせる空間をつくることができました。


日本の伝統的なあかり、そして地元の歴史あるものをコラボレーションさせた空間は、地域ならではのイベントとしてもとても有意義だと感じました。
キャンドルのあかりは希望や未来を表したり、時には命に例えられたりすることもあります。
歴史あるコンプラ瓶にあかりをともし、未来を担う学生のみなさんが考えたデザイン。

 

 

過去と未来をつなぐ、希望のあかりになってくれたと確信しています。