企画展 - 2019.1.24
クリエイターと福島の窯元がつくる「大堀相馬焼167のちいさな豆皿」
多くの方々にアートやデザインの楽しさを感じてもらおうと、1990年からはじまった毎年恒例のチャリティープロジェクト「クリエイションプロジェクト」。2009年からは「CREATION Project」と題し、デザインの力による豊かな生活の提案を目指してリニューアル。2011年〜2015年は東日本大震災の義援金として合計約1134万円を、2016年は熊本地震の義援金として158万円を寄付。2017年からは、生産地を日本全体に広げ、日本のものづくり・産業を、デザインの力で発信していくプロジェクトとして継続されています。
2018年の「CREATION Project」では、167人のクリエイターがデザインした167種類の大堀相馬焼の豆皿を展示、販売し、収益金をセーブ・ザ・チルドレンに寄付する「大相馬焼167のちいさな豆皿展」が銀座のクリエイションギャラリーG8とガーディアン・ガーデンで開催されました。
大堀相馬焼は江戸時代元禄期から続く福島県浪江町の伝統工芸品で、東日本大震災の影響を受けて浪江町での製作はできなくなってしまったそうですが、窯元たちは福島県内の別の地域に拠点を移し窯を新調、愛知県瀬戸市の瀬戸土を使い製作を再開されたそうです。拠点が離ればなれになった今も、協同での陶器づくりが窯元同士を繋ぎ、今では地域おこし協力隊の若い職人も県外から参加したり様々な人のつながりによって浪江町の伝統は福島にあり続けています。
167人のクリエイターがデザインした手のひらサイズのちいさな豆皿は、ろくろ職人が一つ一つ手作業で成形。豆皿の種類によってみられる細かなひびは、大堀相馬焼の特徴の一つで、熱い窯を開けて豆皿を冷ます際に、釉薬が収縮することでひび割れが起こり、キラキラと風鈴のような貫入音が鳴るそうです。
昨年7年ぶりに町内で開校した福島県浪江町立なみえ創成小・中学校で、地元の伝統工芸品に親しみながら豆皿のデザインに挑戦するワークショップが開かれ、その際に子どもたちが考えた豆皿は実際に焼き上げられ、クリエイターの豆皿と一緒に展示されました。
東日本大震災によりバラバラになってしまった大堀相馬焼の窯元がこうして集結し後生へ伝統を繋ぐ。
とても素晴らしい企画展です。
今年の「CREATION Project」も今からすごく楽しみですね。
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