アトリエ - 2018.02.06

『日本人と湯』 写真家・柳原美咲と旅する日本の温泉

私たち日本人は遥か昔から湯と共に暮らしてきました。
源泉に生き物が集まり命が育まれ、その不思議な効能から多くの伝説が生まれました。
やがて温泉は権力者に献上され、戦で傷ついた兵士たちを癒す薬としても用いられました。
高度経済成長期には入浴施設や湯治場として一般市民の生活に根ざし、日本の大衆文化を築いてきました。現在日本には2万7千を超える源泉があり、こうして何百年という歳月を経た今でも大切にされています。


ここ数年、仕事でも日本各地を訪れるようになり、さまざまな温泉に出会う機会が増えました、そしてどこへ行っても裸になってお湯に入れば、誰もがたわいもない話を始めるのでした。
お湯の癒しだけでなく、そういった話に触れるたびに、心が豊かになったようで温かい気持ちになりました。
お湯のようにあふれては消えていく物語を、これからここソトガワ美術館で紹介していきます。

 

 

写真家/柳原美咲
日本写真芸術専門学校を卒業後、写真家の公文健太郎に師事。
現在公文が主宰するクー・フォトに所属し、フリーランスフォトグラファーとして撮影を行う。 
内容はルポルタージュ、PR、インタビュー撮影、動画制作など多岐に渡る。 
日本各地を旅するなかで、温泉地に立ち寄る機会が増えたことをきっかけに「湯のある国」をテーマとし、作品を制作中。