企画展 - 2018.11.30

波佐見の器や窯元を味わい尽くす!「秋陶めぐり」に魅せられて vol.1

 

焼き物の里、長崎県東彼杵郡波佐見町の中尾山一帯で毎年秋に行われているのが「秋陶めぐり」です。この中尾山は波佐見の中でも多くの窯元が残る陶郷で、約20もの窯元や商社が所狭しと並びます。会期中はこれらの窯元が開放され、自由に見学できたり軽食がふるまわれたりと、町を挙げてのお祭りが楽しめます。

 

春に開催される「桜陶祭」とはまた趣が異なる、しっとりとした秋の気配の中で個性豊かなさまざまな波佐見焼に出会えると、今年も全国の器ファンが押し寄せました。そこで今回は、10月27日(土)~28日(日)に開催され、17回目を迎えた今年の「秋陶めぐり」の様子をご紹介します。

 

 

「秋陶めぐり」の入り口となる、陶郷中尾山ゲートです。この先に一体どんな器や人たちとの出会いがあるのでしょうか。わくわくする入り口です。

 

 

細い路地を歩き、窯元めぐりを始めると、町の至るところに“波佐見焼”で作られた素材があしらわれていることに気がつきます。こうして長い間、波佐見の人たちの生活には焼き物がずっと寄り添ってきたんですね。

 

 

窯元の案内版にも焼き物でできたタイルが。それぞれの窯元を象徴する絵柄が素敵です。

 

 

「秋陶めぐり」で来場者を一番はじめに迎えてくれるのは、こちらの「工房あかり」です。

 

 

「工房あかり」は、作家の小島啓子さんが手掛けるカラフルな色をたくさん取り入れた明るいデザインの食器が特徴で、食事が楽しくなりそうな元気なデザインでこれまでの陶磁器のシンプルなイメージを覆すポップな印象を与えています。濃い色から薄い色まで、パステルカラーで描かれたお花や動物、魚など手書きの絵柄がなんとも可愛いらしいですね。

 

 

お花が描かれた可愛い豆皿からスプーン、れんげ、箸置きまで、さまざま食器が並びます。見ているだけでなんともハッピーな気分になれそうです。

 

 

昔からずっと作り続けているという鮮やかな急須も。店内には、新婚生活での食器を一緒に選んでいるのでしょうか、若いカップルの姿も多く見られました。食卓にあるだけで楽しい時間が流れそうな、そんな素敵な食器にたくさん出会えました。

 

 

しばらく歩くと急な登り坂の当方通りが現れ、この坂の途中、モダンな「青」の看板を左手に曲がったところにあるのが「陶房青」のギャラリーです。緑が生い茂っていて自然を感じる素敵な佇まい。

 

 

ギャラリー内では人気のものから新作まで、たくさんの器が出品されていました。こちらは青色や赤色をメインに使って可愛らしい赤鬼を描いた「青葉の器」です。よく見ると鬼が楽しそうに遊び回っている躍動感ある器なんですよ。

 

 

色彩が美しい花柄の大皿。絵付けの技術が巧みで、デザインにどこか新しさを備えているのが「陶房青」の特徴です。また、オンラインショップでも器が購入でき、現代に合った販売方法もいち早く取り入れています。

 

 

「陶房青」の窯主である吉村聖吾さん。来場者や地元の人たちに笑顔で気さくに話しかけてくれる温かい人柄で、波佐見の住人に愛される中心的な人物です。

 

 

軽食には、棚田米の新米を使ったおにぎりとつきたてのお餅料理をふるまわれました。子供たちや町の人たちが笑顔で餅つきをしている光景が微笑ましかったです。しかもこのお茶碗はお持ち帰りできるよう包んでくれるという、嬉しいお土産つき!

 

こうして窯元に気軽に立ち寄ってお気に入りの器を探すのも良し、窯元さんたちとの交流を楽しむも良し、と思い思いに過ごすことができるのが「秋陶めぐり」の醍醐味です。「食と器」で波佐見の皆さんがもてなしてくれますよ。

 

ー次回へつづきます。

 

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